階段の前で、足が止まる。玄関の上がり框で、手すりを探す。駅前の縁石の前で、少し立ち止まる。2026年度グッドデザイン金賞をXSTO X12が受けたと聞いて、最初に浮かぶのはたぶんこの場面です。受賞は、階段という課題に正面から答えた設計が評価されたものです。あなたの家の階段に合うかどうかは、賞ではなく寸法で決まります。
同時にグッドデザイン・ベスト100にも選ばれています。受賞したのはXSTO CO., LTD.が設計したこの機体で、当社が受賞したわけではありません。
「階段、本当に上れるの?」
X12が階段として対応するのは、傾斜35°未満、段差高さ200mm未満です。この2つの数字が、受賞の話とわが家の話をつなぐ境界線になります。
昇りは毎分25段、下りは毎分30段。一定の速さで、段を1つずつ昇り降りします。
ユニバーサルデザインが進む中でも、車椅子利用者の前に依然として頻繁に立ちはだかる大きなハードルが「階段」である。本製品は、人の助けを借りることなくその昇降を可能にし、この根本的な課題に正面からソリューションを提示した点で大いに称賛に値する。
審査委員の評価より(2026年度グッドデザイン金賞)評価されているのは、脚を組み合わせた機構と、段に合わせて姿勢を保つ動きです。
「なぜ、うちの玄関には段差があるの?」
日本の住まいは戸建てが中心で、玄関の上がり框、屋内階段、門から道路までの数段が、毎日の経路の上にあります。
エレベーターは、後から付けられる場所が限られます。道路と建物では管理者が違うため、一つの経路を端から端まで整える調整も、一度には進みません。
段差は点ではなく、経路の途切れとして現れます。だからこそ、移動の自由を奪うのは距離ではなく、この分断だと考えています。
「うちの階段は急すぎない?」——35°の見方
35°は、階段の急さを表す角度です。同じ段数でも、急な階段ほど角度は大きくなります。
角度は、段の高さと踏面の奥行きから決まります。手元の階段を測れば、35°より急かどうかは計算できます。
20cmは、手のひらを広げたくらいの高さ。玄関の框、駐車場の縁石、公園の縁。日常でよく出会う段差の範囲です。
測った数字が対応範囲に入るかどうかは、段の連続や踊り場の形も含めて見て決まります。実寸を見せていただいて、一緒に確かめます。
「玄関の段差は20cmくらい。大丈夫?」——200mmの見方
段差は、場所ごとに別ものとして見ます。玄関、勝手口、庭、駐車場。同じ家でも高さは違います。
200mm未満というのは、あくまで1か所の段差の高さの話です。連続した段、段の途中にある小さな凹凸、傾いた地面は、それぞれ別に確認します。
20cmを超える段差、35°以上の傾斜は、対応範囲の外です。ここは正直に線を引いておきます。
「うちのは少し高めかも」と思ったら、それは記事では答えられない問いです。写真と寸法があれば、相談の場で具体的に話せます。
「115kgって、家で置ける重さ?」——重量とバッテリー
X12は115kg、X12 Proは116kg。どちらもバッテリーを除いた数字です。
バッテリーはリチウム 25.2V / 25.6Ah を2本。合わせると、それなりの重さが加わります。
この重さを毎日どこに置き、どう動かすか。玄関の土間、廊下の端、押入れの前。住まいによって答えは変わります。
エレベーターの広さ、廊下の曲がり角、敷居の段。ここは相談のなかで、間取りを見ながら一緒に確かめる部分です。
「乗ってすぐ使えるの?」——平地・航続・センサーと試乗
平地は0〜12km/h。満充電で約35km走れます。買い物や通院の往復を、1回の充電でまかなうイメージです。
最大積載量は136kg。乗る人と、持ち運ぶ荷物を合わせた目安です。
地形検知と360°の自己バランス。AIを活用したLiDARセンサー。こうした機能が、段差や傾斜の場面で機体を支えます。
審査委員は「車輪とクローラーを組み合わせた複雑な機構を持ちながら、それを過度に主張しない外観デザインも秀逸である」とも評しています。街でも室内でも、目立つ機械にはなりません。段差の前に立ったときの威圧感が少ない、という意味でもあります。
審査委員は、座面の水平維持と姿勢の調整についても触れています。
さらに座面の水平維持や高さ、姿勢の調整など、周囲との関係まで丁寧にデザインされている。
審査委員の評価より(2026年度グッドデザイン金賞)この評価は、乗る人の体感では次のように現れます。坂や階段の途中で、体が前後に傾きにくい。手すりに力を込めて支える必要が減る。目線の高さが大きく変わらず、不安が軽い。姿勢を変えられるので、長く乗っていても疲れにくい。
操作に慣れるまでの時間や、介助が必要になる場面は、体の状態と住まいで変わります。当社では試乗・デモのご相談を承っています。実際に乗って確かめるのが、いちばん早いと思います。
「X12とX12 Proは何が違うの?」——違いはレッグレストだけ
違いはレッグレストだけです。X12は手動調整、X12 Proは電動調整。
積載量、速度、航続距離、段差の対応範囲、バッテリーは同じです。
ここで一つ、正確にお伝えしておきます。主催者の受賞ページにある詳細リンクは、XSTOのX12 Pro製品ページを指しています。それでも受賞対象として記録されている名称は「XSTO X12 Embodied Mobile Robot」で、受賞企業はXSTO CO., LTD.です。当社が受賞したのでも、X12 Proという製品名が受賞したのでもありません。
審査委員は「車いすの延長ではなく、人の移動能力そのものを拡張するロボットとして再構築した点にも大きな新規性がある」と評しています。平地も段差も階段も、同じ機体で通す。移動を機体の側で途切れさせない、という設計の考え方です。
乗り降りのしかた、脚の状態、介助する人の負担。どちらが楽かは、そこに効いてきます。
「脚を自分で動かすのがつらい」「介助する側の手間を減らしたい」。そんな事情があるなら、電動調整の意味は大きくなります。
X12 と X12 Pro
X12はレッグレスト手動調整、115kg(バッテリー除く)。X12 Proは電動調整、116kg。積載量・速度・航続距離・段差の対応範囲は同じです。
「いくらで、いつ届くの?」
価格と在庫は、製品ページでご案内しています。
当店の商品はお取り寄せです。納期目安は2〜3週間。ご注文後に取り寄せ、確認のうえお届けします。
補装具費支給制度や介護保険の考え方は、別のコラムに整理しています。制度は製品選びと順番が違うので、先に読んでおくと話が早くなります。
個別に対象となるかどうかは、お住まいの自治体の窓口で決まります。
「で、結局どうすればいいの?」——当社にできること
当社は日本語でご相談を承ります。仕様、利用環境、搬入条件、試乗・デモ、見積書。どれも窓口は同じです。
公的制度の対象可否や税務上の最終判断は、当社の窓口ではありません。製品のことと制度のことを分けて考えると、話が進みます。
受賞の報せを見て、わが家の階段を思い浮かべた。そこが出発点でいいと思います。
階段の寸法から、一緒に考えます
写真と寸法があれば、対応範囲に入るかどうかの目安をお伝えできます。
本記事の受賞情報は、公益財団法人日本デザイン振興会が公開する2026年度グッドデザイン賞の受賞記録(受賞番号26G110813)に基づいています。審査委員の評価は同記録からの引用です。
掲載している仕様はXSTOの公表値です。段差・階段の対応可否は、実際の寸法、段の連続、踊り場の形状、設置環境によって変わります。安全に関わる判断は、実機での確認と専門家の助言をあわせてご検討ください。
受賞対象はXSTO X12 Embodied Mobile Robotという機体設計であり、XSTO CO., LTD.が受賞企業です。当社はXSTO製品の正規販売代理店として、X12とX12 Proの2構成を販売しています。